壺酢(つぼ酢)は、通常の米酢のように酵母や酢酸菌を加えることなく、米(玄米)と麹と水を壷に仕込むことで出来上がる米酢です。
おそらく、南九州の気候と水そして風土が、この壺に仕込むという独特の米酢造りにマッチしていたために、伝承されてきたものと思われます。しかしながら、その効率的とはいえない生産方法の為に一時期、其の生産技術の伝承が途絶える可能性がありました。
黒酢が、黒い理由は、黒酢ができるプロセスにあります。黒酢の原料の玄米や大麦などのデンプン質は、麹菌の働きによって糖分に変化します。これを糖化といいます。そしてタンパク質はアミノ酸に分解されます。
次に酵母菌がその糖分を餌にして、アルコールをつくります。つまり、アルコール発酵です。このアルコール発酵で止めると“お酒”が出来るのですが、さらに酢酸菌の酵素によって発酵を進めることでお酒が酢になります。
併行複発酵とは、この糖化・アルコール発酵・酢酸発酵の3つのプロセスが同時に併行して進むことをいいます。つぼ酢で利用される「アマン壺」といわれる容器には、酵母と酢酸菌がすみついているため、この併行複発酵が行われ、それが、半年から1年あるいは2年という時を費やすことで熟成が進み、同時にアミノ酸と糖の反応が進むことで、特有の香りと独特な黒褐色の色を生みだすのです。
黒酢ブームが到来するととともに熟成時間をかけず、酢にカラメルで黒褐色の色をつけて黒酢として売るような業者も出てきたために、農林水産省がJas規格において、2003年7月、黒酢の定義を定めました。
つまり、黒酢は、穀物酢のうち、原材料として米(玄米)、または小麦もしくは大麦を加えたもののみを使用したもので、米の使用量が穀物酢1リットルにつき180g以上であって、かつ、発酵および熟成によって褐色、または黒褐色に着色したものとしたのです。
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